農業を通して大熊町を世界へ ブケ・エミリーさん

大熊町で農業を

福島第一原発が立地する福島県大熊町で「農業をしたい!」と移住し、広大な土地を開墾しながら農園を営む一人の女性を取材させていただきました。

全国テレビやラジオでも紹介されているので、もしかしたらご存知の方も多いかもしれませんが、フランスご出身、大熊町民のブケ・エミリーさんです。

ブケ・エミリーさん

震災から約13年が経ち、大熊町内の「避難指示区域」も徐々に解除されつつはありますが、それでも町民の数は少なく、長引く避難指示で荒れ果ててしまった畑での農業の再開を諦めた方も少なくありません。

そのような中、福島に魅了され、大熊町を愛してやまないエミリーさんは、農業を通して復興の芽を育んでいます。そして、その様子をSNSを通して、日・英・仏の3か国語で発信しています。

エミリーさんの Instaglam “Méli et Malice”

コンセプトは「自然のありのままで」

「あまの川農園」と名づけられた畑では、ベリー系を中心に、野菜やフルーツ、ハーブなど、たくさんの種類の作物が栽培されていました。コンセプトは「自然のありのままで」。人の手をかけない自然に任せた農業を目指し、雑草も一緒に成長させながら、肥料や農薬を使わない安心・安全の作物を育てています。

広大な畑はなんと東京ドーム1/3個分!
少しだけ今年のベリーが残っていました!

震災後、ずっと放置され荒れ果てていた畑を切り開いていくのは、想像できないほどの膨大な作業と、計り知れない労力が必要と思いますが、「楽しい」と笑顔で話すエミリーさん。「大熊町は温かい町。みんな力を貸してくれる」とも。地元の方の助けも得ながら、日々畑は整備されていっています。

作業のほとんどが手作業

「今年はトライアル」と言いつつも、すでに大熊町のコンビニエンスストアでじゃがいもが販売されていたり、イベントで食材提供されたりと、早速世にも出始めています。

農園には可愛いパートナーたちも!

農園には人懐こい猫ちゃんたちいて、エミリーさんが作業しているすぐそばを伸び伸びと元気に飛び回っていました。

キウイ棚で

 

「大熊町にきて自分の目で見て感じてほしい」

そう語るエミリーさん。今は少しずつ農園の整備を進め、栽培する作物を増やしている段階。今後、この農園を訪れた人たちに果物狩りや里山の風景を楽しんでもらえる「観光農園」にし、「たくさんの方に大熊町へ来てもらいたい」とのことでした。

イラストレーターとしても

エミリーさんはイラストレーターとしての顔もあり、イラストを通しても、日本だけでなく世界へ福島県の魅力を発信されています。さらに、たくさんの可愛らしい福島県関連のグッズをネットショップで展開しています。

エミリーさんのショップサイト ⇒ https://www.melietmalice.com/


「イラストと農業を通して大好きな大熊町の魅力を発信する」というエミリーさんの夢は、今、力強く大きなうねりとなって動き始めているように感じました。

今回の取材を通して、大熊町と福島愛がハンパないエミリーさんから、わたしも負けていられないと、たくさんの勇気や力をいただくことができました。

取材の様子は今後動画としても配信させていただく予定です。

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