懐かしい我が家へ

一帰宅の日、最高の青空がわたしを迎えてくれました。

双葉駅近くにかかる跨線橋から。西側は住む拠点となる「市街地ゾーン」、東側は「新産業創出ゾーン」として整備中です。

懐かしい前田川。奥はJRの橋桁。地震で陥落していましたが、現在は復旧されています。

震災前にほぼ同じ位置から撮った写真。

2008年12月15日撮影

少し先へ進むと「帰宅困難区域」になります。このようにゲートが設置されており、この先へ行くには「許可証」が必要となります。

我が家は「許可証」がなくても立ち入ることのできる「立入規制緩和区域」にあります。しかし、車が他県ナンバーに変わっているので、他の方を不安にさせないためにも、今回は「許可証」を取得することにしました。

こんな感じでダッシュボードへ

そしていよいよ9年ぶりの我が家へ。家の中へ入る前はさすがに恐怖に襲われました。中は一体どうなっているのだろう…。一瞬このまま引き返すことも頭をよぎりました。でもここまで来て引き返してしまったら、後から後悔するに違いない…。

思い切って家の中へ!

家の中は、思ったより変わっておらず本当にホッとしました。大きな動物が入った形跡もなく(ネズミのフンは大量…)、基本的に震災があった日あの日のまま…。

9年間時間が止まっていた家の中

誰もいない、物音一つしない世界。ここだけ時間が止まっていました。

それでも、窓を全開にして気持ちの良い風が吹き込んでくる中で片付けをしてると、不思議と近所の方の会話や子供たちの笑い声が聞こえてくるようでした。明日からもここで普通に毎日を過ごしていくような、なんともいえない不思議な感覚に襲われました。

ベランダから見える常磐線。部屋の片付けをしていると、ちょうど「ひたち」号が通過していきました。

通過していく特急ひたち

こちらは同じ場所から震災前に撮影した写真。

ベランダから電車を見るのが楽しみでした

常磐線には貨物列車が走っており、その轟音でだいたいの時間が分かったものでした。時々大幅に遅れてやってくると、北国は大雪かなと想いを馳せたり….。

懐かしい思い出が、次から次へと蘇ってきました。

今後、我が家は解体されることが決定しています。「これが最後かもしれない」と思うと、なかなか家を出ることができず、結局3時間以上すごしてしまいました。

同じ敷地内の公園

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