ツール・ド・ふくしま2026 撮影後記

6月13日(土)・14日(日)の2日間に渡って開催された復興サイクリングイベント「ツール・ド・ふくしま2026」を、今年も撮影させていただくことができました。

大会1日目のサイクリングイベントはオフィシャルとして、2日目のロードレース部門は、この大会を記録に残すべく、いちフリーカメラマンとして撮影に臨みました。

613() 「ふくしま復興サイクリング」

「ツール・ド・ふくしま」大会1日目は、東日本大震災とそれに伴う福島第一原発の事故という未曾有の複合災害に直面した福島県浜通り一帯を、自転車で走りながら「見て、感じて、味わい」、復興の最前線に触れていただくことのできるサイクリングイベントです。

わたしは全部で4つ設定されたコースのなかで、今年は「あぶくま山岳グルメライド40(40km)の撮影を担当。当コースは地元・川俣町のシャモの丸焼きや飯舘牛バーガー、凍み餅のけんちん汁など、ちょっとサイクリングとしはあり得ない(笑)超豪華なエイド(休憩所・補給所)が楽しめる、昨年も人気を集めたサイクリングイベントです。ゲストライダーとして「福島もも娘 from Taiwan」のMAKOさんが加わり、地域の魅力が詰まった凝縮された「食と絶景サイクリング」を、参加者のみなさんが心ゆくまで楽しんでおられました。なので写真も、最高の笑顔あふれるものばかり良い写真が多すぎて、納品へ向けての選定が大変でした(うれしい悲鳴)

風光明媚なあぶくま山岳地帯をサイクリング
今年も「車で追い越し先回りして」を繰り返しての撮影

614()  「グランフォンドふくしま140 & メディオフォンドふくしま80

二日目は福島県浜通りを中心に開かれる自転車ロードレース「グランフォンドふくしま140 & メディオフォンドふくしま80」を撮影。

今年は、国際自転車競技連合(UCI)の世界選手権のアジア予選を兼ねた大会(UCI Gran Fondo World Serise) の位置付けとなり8月末にニセコで開催される世界への切符をかけて、国内外から1,700人もの選手が集まりました。

まずは双葉町の国道6号線を駆け抜ける選手たちの集団を撮影するべく、am4:30に現地入り。よく知っている双葉町なので、大体の目星はついていましたが、警察の方に安全のレクチャーをいただいたり、地元の方と少し会話を楽しんだりと、早めに到着したおかげで余裕を持ってスタンバイすることができました。

国道6号が通行止めになる

そして、いよいよその瞬間が。am6:15分頃、先頭集団が見えてきました。

震災前、毎日のように使っていた国道6号線を、多くの選手たちが疾走してくる様子は非常に感動的で、夢中でシャッタを押し続けました。

目の前を選手たちが駆け抜ける!
双葉厚生病院入口交差点

数年前、震災から9年ぶりに双葉町に戻った時は、壊れた家屋や道路が植物に飲み込まれ、人気(ひとけ)がまったくなく、物音もほとんどしない、別の星にいるかのような世界でした。あの日から6年、まさかこんな光景を目にすることができる日がくるとは。にわかに目の前の光景が信じられず、まるで夢を見ているかのようでした。

地域振興と復興支援の大きな力となっているこの大会に、こうして少しでも関わっていることに、大きな喜びと誇りを感じることのできたかけがえのない瞬間でした。

双葉町民の方も声援を送る

先頭集団を撮影後、すぐにゴールの楢葉町天神岬公園へ移動。ここではゴールの瞬間やゴール後の選手たちの表情を切り抜くことができました

グランフォンドふくしま140 男子19~34歳カテゴリー優勝 大前 翔選手
メディオフォンドふくしま80 男子50~54歳カテゴリー優勝 波片 鉄平選手
健闘を称えあう
レースを終え充実した表情を見せる選手たち
写真中央 グランフォンドふくしま140 男子19~34歳カテゴリー 3位 吉田 貴祐人 選手
右から3人目 グランフォンドふくしま140 男子19~34歳カテゴリー 2位 瀧 聖人 選手
右から2人目 メディオフォンドふくしま80 女子19~34歳カテゴリー 2位 林 優希選手

その後も会場を撮影していると、昨年を覚えていて声をかけてくださる方なんかもいて、この「ツール・ド・ふくしま」に2年連続で来ることができたことの実感が湧いてきて感無量でした。最後まで会場の雰囲気を楽しみたかったのですが、明るいうちにクライアントさん先の看板を撤収しなければならなかったので、午前11時前には後ろ髪を引かれる思いで会場を後にし、長野へと帰路についたのでした

撮影を終えて

今年は、レース部門のオフィシャルとなれず正直少しショックでもありました。でも大会プロデューサー&オフィシャルカメラマンの橋本謙司さんこと、ハシケンさんが気を遣ってくださり、「ふくしま復興サイクリング」の撮影を担当させていただき、今年も携わることできました。去年も同じことを書きましたが、地域振興と復興支援の大きな力となっているこの大会に、双葉町民として携わることができたことは感慨深いものがあります。機会を与えてくださったハシケンさんに心からの感謝の気持ちでいっぱいです。

加えて、二日目のレース部門をフリーで撮影できたことは、結果的にわたしにとって素晴らしい経験になりました。フリーだったからこそ双葉町で撮影できたことはもちろん、例え仕事の依頼でなくても、どうしたら雑誌やメディアなどで使ってもらえそうな写真を撮ることができるかを、めちゃくちゃ真剣に考えながら臨むことができました。いつもは基本的にクライアントさんの意図に沿っての撮影なので、こうして自問自答しながら撮影できたことは、また一つカメラマンとして成長できた気がしています。

撮影に臨む筆者。双葉駅前にて。

来年2027年は

2025年の「ツール・ド・ふくしま」はロードレースには630人が参加し、サイクリングには597人が参加しましたが、今年は、140㎞のグランフォンド、80㎞のメディオフォンドがそれぞれ750人、タイムトライアルの参加が250人、サイクリング部門は全コース合わせて700人と、全部で2400人程度が参加し、昨年のほぼ2倍の人が集まったとのこと。わたしの宿泊したホテルも選手たちがたくさん泊まっておられ、大会終了後はSNSに「ツール・ド・ふくしま」関連の投稿が溢れていたりと、間違いなく地域振興と復興支援につながっている大会です。

来年のことは全くわかりませんが、またもしチャンスがあれば、これからも何かしら関わっていくことができたらと思っています。

執筆日:2026年6月26日(金)

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